仮面ライダー☆華○鬼☆ | おとうさんのおもちゃばこ

仮面ライダー☆華○鬼☆

京都の大玄関であるJR京都駅。
夜になれば向かいの白い「ろうそく」を模して建築された京都タワーが京都駅ビルのガラスに映り込み、京都を代表する新旧現代建築の見事な調和を見ることができる。
500系の流れるような優雅な線の車体がホームに滑り込んで来た。
扉が開き、どよめきと雑踏の花がザッと咲き、それぞれの場所に散っていく。
降り立った男が一歩一歩自分の場所を確かめ、踏み締める様に歩いていた。
眼光は刃のような鋭さを放ってはいるが、その奥に確かな信念と温かな心根が淡く静かに輝いている。
小脇に不似合いな紫色の包みを抱えているが、彼の物ではなさそうだ。
花紀が向こうからやってくる。
そして深々と男に対して一礼をした。
「お久しぶりです。遠路お疲れ様でした」
男は花紀に包みを渡すと口を開いた。
「まあ…ついでだからな」
そして少し微笑んで続けた。
「しかし…酒留の使いはもうカンベンだな。気がふれそうになる」
花紀は苦笑いで答えるしかなかった。
「お弟子は?」
「ああ…派手にやってるよ。それより…」
男が花紀を見据えて言った。
「…呑まれたのか?」
「ええ…3年ぶりです」
花紀の表情が曇った。
「詳しく聞こう」
「はい…ザンキさん。」
ザンキは複雑な表情で花紀の指輪を見た。
二人は花いかだの様な人の流れに乗って眩しい京の街に呑み込まれて行った。