仮面ライダー☆華○鬼☆ | おとうさんのおもちゃばこ

仮面ライダー☆華○鬼☆

花紀を中心に波紋の様に広がっていく音の輪。
百鬼は息を吸い込み、ヒュッと口から数百本の針を放った。
その刹那、花紀の足元から水柱が上がった。
百鬼の針をも飲み込んだ茜色の空に届かんばかりの蒼い柱の中で銀色の光がゆっくり大きく輝きを増し、水柱は渦を巻き、やがて轟音と共に弾け、横はらいの手刀の姿で現れたのは…。
桜模様をあしらった帷子の右肩口には般若が凄まじい形相で百鬼を睨み付けている。
腰にぶら下げられた巨大な銀の縦笛先端は鋭く尖っており、死の旋律を奏でるのを待ちわびているようだった。
そして鬼の証…二本の銀角の面が告げた。

華○鬼…見参!
百鬼は素早く腰の3枚の銀盤を引き抜くと華○鬼に向けて飛ばす!。
ルリオオカミ、ニビイロヘビ、アカネタカに姿を変えて華○鬼に襲いかかる!
華○鬼がサッと左手中指、人指し指を立て、横に払う。
たちまち銀盤に戻り、地に落ち、木にささる三色のディスクアニマル達。
返すその手で百鬼を指さすと狗と雉が飛び出し、殺気を持って向かっていく。
しかし…百鬼が青白く眼を輝かすと式針が弾け、殺気はたちまち恐怖に変わりいずこかへ飛び、走り去ってしまった。
やる!
華○鬼は感嘆した。
ディスクアニマルは高機能で比較的扱いやすい反面、術者に乗っ取られやすいという弱点も持つ。
花紀が式針を選んだのもこの為だ。
しかし、百鬼は式針をもあっさり無効化してしまった。
よほどの鍛錬がなければ出来ない芸当の筈だ。
やはり…自らの命を削りあわねばなるまい!
唸り、絶叫する百鬼に呼応するかのように闇の帳が降りはじめ、暗雲が夜空に開き始めた星の穴を埋めていった。