仮面ライダー☆華○鬼☆ | おとうさんのおもちゃばこ

仮面ライダー☆華○鬼☆

雷鳴が轟き、漆黒の闇を走る稲光に照らされて華○鬼右肩の般若がニタリと笑ったように見えた。
その刹那、びゅっと白い腕が門の闇から飛び出し、百鬼の右腕と左足首を掴んだ。
餓鬼のような蒼白くか細い腕のどこに剛力が宿っているのか、バキバキと掴んだ腕足を砕いていく。
笛の音と引き換えに百鬼の絶叫が響きわたった。
死肉を求め、ジッと鬼共の戦いを見つめていた鴉が破れたような翼を広げ森を飛び立つ。
華○鬼が跳躍し、飛び交う黒い塊の間を縫った。
宙でくるりと身体を捻り、銀の縦笛を踝からふくらはぎに装着する。
高く舞い飛び、鋭く尖った三角脚の蹴りが紅蓮の炎を上げ、彗星の速度となって百鬼に襲いかかった!
…音撃脚…鬼ころし!
切り裂かれた空気に導かれ、終末を告げる笛の音が鳴り響く。
どっ!と華○鬼の右足が百鬼の胸板を貫いた。
迸る血と黒い邪鬼が門の中に吸い込まれていく。
恐怖…恐怖は呑みこんだ筈だ。
いや…恐怖は勇気を以て乗り越えるものだという事を思い出した時…。
門は消え、百鬼は蹌いて木に背中を預けた。
静寂が暗闇を覆い、雨音だけが現世を支配しているようだった。