仮面ライダー☆華○鬼☆ | おとうさんのおもちゃばこ

仮面ライダー☆華○鬼☆

面がとれ、百鬼は人の姿に戻っていた。
蒼白の顔は雨に濡れ、生気を失っている。
かつては鋭い眼光で以て魔化魍を睨み、優しい眼差しで人々を見つめた面影は薄れ、濃い隈が眼下を縁どっていた。

呑まれたのか…。

俺は…呑まれたんだな。

やはり面を外した花紀がゆっくりと近づいてきた。
じっ…と消え逝く魂の炎を見つめていた。

だが…。
死ねる。
人として…。

そう言うと百鬼はゴフッと血を吐いた。

花紀が百鬼の傍らに立ち、言った。

手強かった…。
素晴らしい鍛えでした。
…貴方は良い鬼でしたよ…。

百鬼は微笑もうとしたが…それは叶わなかった。

雨が全てぬぐい去ってゆく。

闘いの余韻も。血糊も。
そして…魂の残り香も…。

来世でまたお会いしましょう。
パアッと雨音が答え、やがて…。
(終劇)